

|
 |
|
冷却装置のない江戸時代、町を売り歩く「冷や水売り」は、夏の風物詩のひとつ。
「ひゃっこい、ひゃっこい」と売り声涼しげに、湧水などの清水を汲み、江戸市中を売り歩く。ところが、いかな清水でも炎天下を運べば生ぬるくなるので、冷や水売りは真鍮(しんちゅう)や錫(すず)などの金属の椀を用意し、白砂糖と寒晒粉の小さな団子(白玉)を入れて出すので、喉を潤すにはもってこいだったのだろう。これらの金属は、熱伝導率が高いので、冷たく感じたのだろう。
一杯が四文で、砂糖をもっと足すと、八文や十二文になる。だが、ぬるいのには変わりなく「ぬるま湯を辻辻で売る暑いこと」。
この作品は市川団十郎扮する冷や水売り。
*注 実物は成長し(?)、写真とは多少異なっておりますので、ご了承ください。
|
|