遊びをせんとや
(あそびをせんとや)


   


この作品は貞享2年(1685年)に幕府の奥絵師となった、住吉具慶(すみよしぐけい)の描いた『都鄙(とひ)図巻』をもとに作った。江戸時代もまだ初期から中期に差しかかる頃のゆったりとした雰囲気がある。「もてあそび(もの)」と呼ばれていたが、「もちゃそび」から「もちゃ」となり、接頭語の「お」がついて「おもちゃ」と呼ばれるにいたる。

おもちゃ売りは、さまざまなおもちゃを担いで、こうして売り歩く。太鼓もいろいろ、日傘も見える。母親に、おもちゃをねだる子の姿は、いつの世も変わらない。おもちゃ売りは太鼓をたたき、面白おかしい口調で、子供をひきつける。江戸時代さらに年代を重ねると、おもちゃもさまざまなものが登場し、また各地のおもちゃが人々の移動によって、その地に根付いたりして、似たようなものも今に伝わっていたりする。